今日は肢体不自由と知的障がいを併せ持つAさん(中2)の嬉しい報告をします。
Aさんがリズム運動療法のセッションを受け始めたのは今から1年半くらい前です。
月に1回の実施です。肢体不自由の方のためのグループですが。
現在のメンバーはAさんが一人です。
開始当初は受動的な関わりがほとんどの状況でした。
お互いに知り合う時期を受動的なリズム運動で過ごしながらも、
歩行が可能でしたので、Aさんに合ったサーキットも実施しました。
お互いに知り合う時期が過ぎ、
Aさんにもセッションを楽しみにしている様子が見られるようになって来ました。
Aさんの体力を考え、立位で行うリズム運動と
座位で行うリズム運動をバランスよく組み合わせて行っていきました。
今年の初めには ♪なかよしこんにちは♪ の曲で「やりとり」の芽が生まれてきました!!
最後の ♪こんにちは~♪ のところで、お互いの指と指を絡ませるのですが、
自ら絡ましてくる動きがでてきました。
受動的なものだけでなく、Aさんとの「やりとり」が少しでもできればという願いで
♪ともだち♪ や ♪なかよしこんにちは♪ や ♪ふしぎな手のひら♪ や ♪しずくさん♪ などを中心に関わってきました。
少しずつ・・少しずつ・・・Aさんの中に音楽や、音楽とともにある動きや、人との関わりが実っていったようです。
8月のセッションで感動的なことが起こりました!!
♪歩いて止まりましょう♪ で楽しんでいた時です!!
♪歩いて止まりましょう♪ では、いつもはセラピストと、一緒に参加してくださっているお母様との3人で、Aさんは両手をつないでもらっての実施をしていました。
この日はお母様より「一人でやらせてみたい」という声があり、思い切って一人でという形に変えてみたのです。
感動のシーンがすぐにやってきました!!
Aさんは ♪ あ・る・い・て・止まりましょう・ ♪ と一人でしっかり歩き、
音楽と一緒にピタリと止まったのです!!
そして次のピアノの合図で再びしっかりと歩き始め、
♪ とまりましょう ♪ の歌詞とともに止まります。
そして、ピアノの合図で歩き始めることを繰り返し行うことができたのです。
ご両親で参加されているのですが、セラピストとともに嬉しく感動の瞬間でした!!!
Aさんは身体の調子が整わず月に1回という少ないセッション回数の中、お休みをすることもありました。
それでも熱心で愛情たっぷりのご両親に支えられ、通ってこられました。
子どもの成長はすぐに結果の出るものではありません。
子どもの成長を信じ、ゆっくりじっくり待っていくことの大切さや、
子どもの「できる力」を細かく感じていくことの大切さを痛感します。
この日はもう一つ感動的な出来事があったのです!!
この出来事はまたの機会に報告しましょう。
♪ 歩いて止まりましょう ♪ は あおぞら音楽社出版の「必ずラポールが築ける50のリズム歌あそび」のP66~67に載っています。また、CDにも収録していますので参考になさってください。